モンダイな文章を推敲で解決する「勝手にビフォーアフター」。
今回お届けするのは、
某大手「旅行検索サイト」で見つけた説明文。
実は2012年4月、私自身が利用したビジネスホテルのものです。
【Before】
(~略)長期の滞在などにご利用頂ければ、
またご利用しやすく洗濯洗剤は無料で利用できます。
その他、アイロンも無料で利用できます。
【推敲のポイント】
簡潔な文章を書くうえで“鉄則”ともいえるのが、
「重複を省く」こと。
ぜい肉を取り除いて、文章の流れをよくするために、
覚えておきたいポイントです。
このケースでは、
これだけの長さの文章に「利用」が4回、「無料」が2回登場。
しかも文末が「できます。」で重なるという、
かなり厳しい状況です。
単純に「省く」では解決できそうにありませんので、
一度、伝えたいポイントを書き出してみます。
要は(このコインランドリーは~)、
・長期の滞在に便利
・洗剤は無料
・アイロンも無料
――と、アピールしたいわけです。
ちなみに、コインランドリーの話題とわかっていれば、
洗濯洗剤→洗剤
と、ここでもコンパクト化が可能ですね。
【After】
<1>
洗剤、アイロンともに無料でご利用になれますので、
長期のご滞在には特に便利です。
(無料で利用できるものを、まとめました)
※ご注意
○=洗剤、アイロン
×=アイロン、洗剤
このようなケースでは、使う順番に並べてあげましょう!
同様に「長期滞在」も最後に配置すると、自然な流れになります。
<2>
洗剤、アイロンともに無料。
長期滞在には特に便利です。
(さらに縮めてみました)
同じ内容を盛り込みながら、文字数は大幅に減りました。
・例文=59字
・① =39字
・② =26字
それだけ読み手の負担が減って、
伝わりやすい文章になったということができますね。
やや「ていねい過ぎる」印象のある①に対して、
②では「お」「ご」の尊敬表現もカットしてみました。
機能を重視するWebページという場面を想像すると、
この程度の言い回しのほうが、よりマッチすると思います。
ありがとうございました!

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