モンダイな文章を推敲で解決する「勝手にビフォーアフター」。
今回お届けするのは、
私が利用している最寄り駅で発見したもの。
正しい、正しくないという種類のハナシではないのですが、
やはり「なんかへん」じゃないでしょうか、これ?
【Before】
この付近ハトフンに注意して下さい
【推敲のポイント】
ハトフン、ハトフン、ハトフンかぁ……。
電車がホームを離れてからも、
しばらくはこの貼り紙のことが気になってしまいました。
エノケン(古い!)、ナベサダからキムタクに至るまで、
あるいは、うな重からスマホまで、
日本人は略語づくりの“名人”といってもよいでしょう。
この物件も、鉄道会社の方が、
「ハトフン」と目一杯の“洒落っ気”を発揮されたのですが、
あまり効果的とは思えません。
「親しみやすく、目立つ注意書きをつくろう」と、
努力された姿は目に浮かぶのですが……。
ちなみに、Googleで検索してみると、
・ハトフン = 3,770件
・ハトのフン=707,000件
これだけ見ても、
せっかくの洒落っ気が逆効果になる危険性を感じます。
【After】
ハトのフンにご注意ください
(グッと圧縮してみました)
【今後へのメモ】
長い文を読んでいる間にハトフンが落ちてきたらたいへんです!
この手のメッセージは「 簡潔>長い 」が原則。
読む人は付近にいるのですから、「この付近」は不要ですね。
<ご参考>
ハトの“落としもの”にご注意ください
(以前、このメッセージを読んだ記憶も…)
ソフトにしてみたのですが、
実際に被害に遭われた方を思うと、
「落としもの」では心情を逆なですることになりそうですね。
ありがとうございました!

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