推敲百話【9】「コクのある保存料って?」の巻

モンダイな文章を推敲で解決する「勝手にビフォーアフター」。

今回お届けするのは、

たまたまご近所に支店がある、某宅配すしチェーンのWebページの一部。

わかりやすい例文がありましたので、お借りすることにしました。

失礼ながら“勝手に”推敲いたします。
まさに「神は句読点に宿る」です

【Before】

まろやかな酸味とコクのある保存料を含まないお酢。

 

【推敲のポイント】

有名な「笑い話」に、こんなものがあります。

ご存じでしたか?

 

――とある銭湯の下足場に、貼り紙がありました。

「ここではきものを脱いでください」

これを読んだ客の一人が、いきなり下帯(=ふんどし)姿に!

 

慌てた店主は貼り紙に「 、」(読点)を書き足しました。

「ここで、はきものを脱いでください」

 

店先で突然、裸になってしまった人は、

「ここでは、きものを脱いでください」

と、読んでしまったというワケです――。

(おしまい)

 

さて、例文も「 、」(読点)が正しく打たれていないために、

大きな誤解を生む危険性をはらんでいます。

 

・まろやかな酸味とコクのある→「保存料」

・まろやかな酸味とコクのある→「お酢」

という、2通りの読まれ方をしてしまうのです。

 

【After】

まろやかな酸味とコクのある、保存料を含まないお酢。

 

「 、」(読点)をひとつ打つことによって、

「まろやかな酸味とコクのある」

「保存料を含まない」

の両方が、「お酢」にかかっていることがはっきりしました。

 

【今後へのメモ】

ついつい習慣で打ってしまいがちな「 、」(読点)ですが、

簡潔な文章を書くうえでは、

とても重要な役割を果たしているのです。

 

私たちも、

「客人をいきなり裸にしてしまう」ことのないように、

注意していきましょう。

 

最後になりましたが、

家内も私も、貴店のファンです!

 

ありがとうございました。

 

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