モンダイな文章を推敲で解決する「勝手にビフォーアフター」。
今回は待望の投稿物件第2弾のお届けです!
私が講師としてお手伝いしているライタースクールLETSの卒業生で、
Face Bookでもご縁をいただく鈴木淑子さんのご依頼。
物件は、10/17の読売新聞に掲載されたロ●ト製薬の宣伝記事とのこと。
話題は「おフランスの食生活」。これでいいのだ…!?
フランス人の食生活は高脂肪・高カロリーであるにもかかわらず、
健康を維持する人が多いという。
そしてその謎を解くカギとして、
フランス人が食事とともに日常的に飲んでいる赤ワインが注目されている。
【推敲のポイント】
失礼ながら、
「これ、コピーライターさんが書いたものでしょうか?」
が、第一印象でした。
最初の文章の主部=「フランス人の食生活は」が、
「健康を維持する人が多いという。」という述部で閉じられる――。
いわゆる主述のねじれ状態。
加えて後半も、
「そしてその~」で始まる“タドタドシイ”語感といい、
再度登場する「フランス人が」の重複感といい、
とても全国紙の紙面を飾る上場企業の広告とは思えない内容。
何か、よほど深い理由があったに違いありません。
考えられるのは、
せっかくのプロの仕事を、
(よせばいいのに)トーシローと呼ばれる方々がいじくり回し、
最後にプロがぶちキレて放置してまったケース。
もうひとつは、
“腕自慢”社員の方が周囲の意見を聞かず、
書いたものをそのまま掲載してしまったケース。
(誰も意見を言えないような雰囲気なのでしょうか…)
いずれにしても、
今ごろ問題になっているのではないかと気がかりです。
【Before】
フランス人の食生活は高脂肪・高カロリーであるにもかかわらず、
健康を維持する人が多いという。
そしてその謎を解くカギとして、
フランス人が食事とともに日常的に飲んでいる赤ワインが注目されている。
↓
【After】
フランスでは高脂肪・高カロリーな食生活を送りながらも、
健康を維持する人が多いという。
その謎を解くカギとして注目されるのが、
食事の際に飲むことで知られる赤ワインだ。
【今後へのメモ】
「フランスでは」→「健康を維持する人が多いという。」
という文章の骨格の明確化をまず図り、
「フランス人」というムダな重複を省き、全体を引き締めてみました。
これで、少しはマシになったのではないでしょうか?
(出てしまった広告は、引っ込められませんが…)
今回のモンダイは、
私たちが日常的に書く文面でも頻発します。
十分に気をつけていきたいものです。
ちなみに、家内も私も、
ロ●ト製薬の製品には、長くお世話になっています!
ありがとうございました。

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