モンダイな文章を推敲で解決する「勝手にビフォーアフター」。
今回も待望の投稿物件、第3弾のお届けです!
お送りいただいたのは、
「神社の境内に設置された案内板」(10/6公開)に続き、
マーキーこと青木将幸さん。
「おいしかったのですが…」というコメントとともに、
「きな粉大豆」というお菓子のパッケージの写真が届きました。
大豆ときな粉は、昔ながらの
美味しい味でしかも健康に
良いといわれております。
【推敲のポイント】
次の3つに注目したいと思います。
①意味の重なる言葉
②句読点
③改行位置
(あぁ~きな粉餅が食べたい!)
①意味の重なる言葉
とても有名な「馬から落馬する」に代表される、重ね言葉というシロモノです。
ちなみに、競馬=落馬、競輪・オート=落車。
ところが競艇だけは落艇、落舟ではなく「落水」というのです(謎)。
コホン…。
さて、この物件の場合、
「美味しい味」というフレーズで明らかに「意味がダブっている」のです。
「おいしい」はもともと「味がよい」という意味。
「おいしい味」では、「味がよい味」となってしまいます。
かなりの違和感が体を突き抜けていきます。
②句読点
あまり重要視されない句読点ですが、
読点「 、」の位置は大切。
ときに文章の意味がガラッと変わってしまうこともあります。
ex.「ここで、はきものを脱いでください」「ここでは、きものを脱いでください」
本物件の場合、読点「 、」は1カ所のみ。
あと1カ所打てると、かなり文面が明瞭になるのですが。
③改行位置
句読点同様、あまり重んじられないのが改行位置。
小コラムでは、大部分を「句読点での改行」としているのですが、
いかがでしょう。読みやすいでしょうか?
この物件では、
「だいたい、こんなモンだべや」
という勢いだけで改行位置が決められているようです。
これは、もったいない!
【Before】
「きなこ大豆」
大豆ときな粉は、昔ながらの
美味しい味でしかも健康に
良いといわれております。
↓
【After】
<1>
「きなこ大豆」
大豆ときな粉は、
昔ながらの美味しさで、
しかも健康に良いといわれております。
……アカンですな。
<2>
「きなこ大豆」
健康によい大豆ときな粉で、
昔ながらの味わい。
……ダメ。
<3>
健康・美味
昔ながらの「きなこ大豆」
……。
【今後へのメモ】
最後がいちばん良さそうですね(笑)
この「きなこ大豆」には、
先日の私のセミナーで、
受講された皆さんの「おやつ」として喜んでいただきました。
ありがとうございました!

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