モンダイな文章を推敲で解決する「勝手にビフォーアフター」。
今回は“古典的”な変換ミスのご紹介です。
少し前、日経を読んでいて、
「1ビット・デジタルアンプ」なるものが気になりました。
さっそくネットで検索してみると……。
1bitアンプは内臓されているクロックに
音質依存する部分も大きく、
クロックの効果が大きく発揮されます。
【推敲のポイント】
今日は、サクッと解決しましょう。
違和感センサーの対象はもちろん“ここ”です。
「内臓する」
↓
「内蔵する」
金属製のアンプの中に血管が通っているような、
不思議な感覚に誘ってくれる(?)誤りです。
ついでに、
「簡潔な文章への7カ条」のひとつ、
同じ言葉は省く――を発動。
「クロック」「大きく」という言葉を省きつつ、
語順を入れ換え、整理してみました。
【Before】
1bitアンプは内臓されているクロックに
音質依存する部分も大きく、
クロックの効果が大きく発揮されます。
↓
【After】
1bitアンプの音質は、
内蔵されているクロックに大きく依存しています。
<着眼点>
「部分」は意味のないフレーズ。
「クロックが効果を発揮する」は、
「アンプの音質がクロックに依存する」の裏返しですので、
思い切って(?)省いてしまいましょう。
【今後へのメモ】
この「内蔵・内臓」のモンダイなど、
近年ではワープロソフト(懐かしい!)の性能が向上し、
打っている途中、アンダーラインで警告してくれたりします。
ちなみに「ワード」では、
アンダーラインを右クリックすると、
変換候補が表示され、修正もスピーディー!
便利な世の中になったものです。
ありがとうございました。

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