推敲百話【34】「変身するプリンタ用紙」の巻

主人公が「へんしーん!」と言いながら

戦闘用のスタイルに姿を変えるTVドラマが流行ったのは、

何年くらい前だったでしょうか。

同じポーズをとると自分も“変身”できるのではと、

試してみた経験がある方も多いのでは……?

さて、本日の違和感センサーは、

プリンタ用紙のパッケージに、ピピッ!

失礼ながら“勝手に”推敲いたします。
ファミレスなどでは、おなじみのフレーズです

こちらが印刷面になります。

 

【推敲のポイント】

「こちらが和風ハンバーグのランチになります

「ご注文のほう、おそろいでしょうか?」

「こちらのほう、お下げしてよろしかったですか?」

こんな接客を受けていると、

「ここは、どこの国じゃぁーー!」

と、思わずテーブルを叩きたくなります(笑)

 

こうした、いわば“ファミレス敬語”が、

プリンタ用紙のパッケージにまで勢力を拡大してきていることを

突き止めました!

 

もともと「~なる」という言い方は、

「子どもが大人になる」「天気が悪くなる」のように、

主に「ある状態に達する」「変化する」という意味で使われます。

 

このプリンタ用紙の注意書きは、

「印刷には適さない面」が徐々に「適した面」に変化する――。

という場合に用いるべき表現なのですね。

 

パッケージの中で“熟成”が進んだり、

空気に触れて“化学変化”を起こしたり、

そんな紙があっても、面白いかもしれませんが……。

 

【Before】

こちらが印刷面になります。

【After】

こちらが印刷面です。

 

【今後へのメモ】

「~になります」という言い回しが広く使われることには、

それなりの理由があるハズですね。

 

【Before】と【After】を比較してみましょう。

 

まっすぐに響く印象の後者よりも、

「~なります」からは、

わずかながらソフトな雰囲気が感じられるようです。

 

相手の領域には踏み込まない。

ストレートなもの言いは好まない――。

こうした昨今のコミュニケーションの傾向には、

「~なります」が、

よりフィットしているのかもしれません。

 

言葉は、時代とともに変化していきます。

このブログの記載内容自体が、

「一時代前のジョーシキ」となる日も、

遠からず訪れることでしょう(しみじみ)。

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございました。


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