主人公が「へんしーん!」と言いながら
戦闘用のスタイルに姿を変えるTVドラマが流行ったのは、
何年くらい前だったでしょうか。
同じポーズをとると自分も“変身”できるのではと、
試してみた経験がある方も多いのでは……?
さて、本日の違和感センサーは、
プリンタ用紙のパッケージに、ピピッ!
こちらが印刷面になります。
【推敲のポイント】
「こちらが和風ハンバーグのランチになります」
「ご注文のほう、おそろいでしょうか?」
「こちらのほう、お下げしてよろしかったですか?」
:
こんな接客を受けていると、
「ここは、どこの国じゃぁーー!」
と、思わずテーブルを叩きたくなります(笑)
こうした、いわば“ファミレス敬語”が、
プリンタ用紙のパッケージにまで勢力を拡大してきていることを
突き止めました!
もともと「~なる」という言い方は、
「子どもが大人になる」「天気が悪くなる」のように、
主に「ある状態に達する」「変化する」という意味で使われます。
このプリンタ用紙の注意書きは、
「印刷には適さない面」が徐々に「適した面」に変化する――。
という場合に用いるべき表現なのですね。
パッケージの中で“熟成”が進んだり、
空気に触れて“化学変化”を起こしたり、
そんな紙があっても、面白いかもしれませんが……。
【Before】
こちらが印刷面になります。
↓
【After】
こちらが印刷面です。
【今後へのメモ】
「~になります」という言い回しが広く使われることには、
それなりの理由があるハズですね。
【Before】と【After】を比較してみましょう。
まっすぐに響く印象の後者よりも、
「~なります」からは、
わずかながらソフトな雰囲気が感じられるようです。
相手の領域には踏み込まない。
ストレートなもの言いは好まない――。
こうした昨今のコミュニケーションの傾向には、
「~なります」が、
よりフィットしているのかもしれません。
言葉は、時代とともに変化していきます。
このブログの記載内容自体が、
「一時代前のジョーシキ」となる日も、
遠からず訪れることでしょう(しみじみ)。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

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