セミナー受講料は2日間で12万円以上。
1時間あたりで計算してみると、
赤羽博之の文章講座の3倍をはるかに上回る額――。
本日の違和感センサーは、
コピーライター養成で有名な某出版社が主催する
「講座」のパンフレットにピピッ!
売上目標ばかりを追及しても、~
【推敲のポイント】
日本語が「むずかしい」とされる原因には、
いくつか有名なモノがありますね。
1.漢字、ひらがな、カタカナが使われること
2.敬語の規則が複雑
3.同音異義語の存在
4.主語が不明確
5.書き言葉、話し言葉の使い分け
6.すべて書かないことが「よし」とされる
などなど……。
外国の方に日本語を教える際には、
「敬語」は最初から除外すると聞いたことがありますし、
「4.」「6.」などは、到底理解できないことでしょう。
これだけ複雑でビミョーな言語を使いこなすのですから、
私たち日本人はある意味で“たいしたものだ”と思います。
さて、その“たいしたもの”のハズの日本人でも、
時として誤ってしまうのが同音異義語。
最近のワープロソフトはとても親切で、
変換すると「意味」を並べて表示し注意を喚起してくれるのですが、
(箇条書きの自動生成など、余計なおせっかいも目立ちますね!)
それでも、こうした典型的なミスは防ぎきれないのです。
ここで使われている「追及」は、
・野党議員が政府を追及する。
・会議は担当部署の責任追及に終始した。
――など、「相手を追い詰める」場面で用いる熟語。
一般的に、
追求=追い求める(企業が利潤を~する)
追究=明らかにしようとする(研究者が真理を~する)
追及=追い詰める(与党の責任を~する)
と、使い分けるのは、皆さまご存じのとおりです。
【Before】
売上目標ばかりを追及しても、~
↓
【After】
売上目標ばかりを追求しても、~
【今後へのメモ】
実はつい最近、同じ事例を「新聞広告」で発見しました。
きちんと広告代理店が入っている仕事なのですが、
「弘法も筆の誤り」なのでしょうか。

これは9月5日(金)東京新聞に掲載されたもの。

翌日9月6日(土)には同じ広告が日経に掲載されたのですが、
こちらは「修正」されていました。
読者からの指摘、もしくは関係者が気づかれたのでしょう。
昔から文字、活字を扱う業界では、
「誤植を笑う者は、誤植に泣く」というようなことが、
“山のように”起きています。
皆さま、お互いに気をつけてまいりましょう!
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

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◆著書のご紹介
すぐできる!伝わる文章の書き方 赤羽博之・著
日本能率協会マネジメントセンター・刊 1,300円+税