推敲百話【43】あなたの文章が“相手にされない”本当の理由

『人は見た目が9割』(竹内一郎氏・著)

という新書が10年ほど前に出版され、

話題になったことがありました。


『伝え方が9割』(佐々木圭一氏・著)はじめ、

最近の書籍タイトルに多く見られる、

「9割」モノの先駆けともいえる著作です。


この『人は~』は、主に言葉以外による対話、

つまり非言語コミュニケーションについて

書かれていた本なのですが、

他人に与える「第一印象」の大切さが、

とりわけ強調されていた――と記憶しています。


さて、あなたの「文章」はどうでしょう。

相手に与える第一印象を意識されているでしょうか?

 

文章の第一印象を左右する最もシンプルなこと

そもそも「文章に第一印象がある」なんて、かなりトートツな話ですよね。普段からあまり意識されることもないと思います。しかしながら、手に取った瞬間に「読みたくないな」とか、読み始めたとたんに「後で読もう」という気持ちになる文章に、私たちの多くが何度も出合っているのではないでしょうか。これらは“ズバリ”第一印象が良くない文章である確率が高いのです。


では、その「第一印象」を左右しているのは、文章のどの部分なのでしょう。有力な候補はいくつか考えられます。まず、手に取った瞬間に「読みたくない」と感じるものは、こんなところがその要因になっていると考えられます。


1.文字のサイズ

2.用紙の余白、字間・行間

3.文字だらけで真っ黒に見える(≒漢字率)


小欄【42】では「相手はあなたの文章を“読みたい”と思っていない」と書いたのですが、それに“輪をかけてしまう”のが、「1」~「3」に代表される見た目の問題。どんなに優れた内容の文章であっても、いわゆる“パッと見”への配慮がないものは、残念ながら読まれる文章、読みやすい文章にはなり得ないのです。


賢くなったソフトがもたらすマイナス面

「1」~「3」のうち誰でもすぐに始められそうなのが、「1」の文字サイズへの配慮です。文章のテーマ、内容を決める際に「読み手」を意識することは知られていますが、「文字サイズ」への配慮は、案外“忘れられがち”だと思います。


こんなご経験はありませんか? あなたはA4の1シートに収まるようにとの指示を受け、文章を作成しています。終盤に差しかかり、ほぼゴールが見えてきたところで上司から“理不尽な”ひと言――。


「このグラフ、入れといて!」


グラフを入れるとなると、明らかに次のページへ文字が流れ込んでしまいます……。考えられる選択肢は主に次の2つです。


1.気を取り直してグラフを入れ、文章を編集し直す(縮める)。

2.グラフを入れ、全体の文字サイズを落として(または字間、行間を詰めて)1ページに収める。


こんなとき、私たちは往々にして「2」を選んでしまいがちです。その瞬間に「読み手から見て、どんな印象だろう」と、立ち止まって考えられる人はなかなかいないのです。


エクセルで表をつくる際にセルからはみ出してしまう文字があるときなども同様です。ソフト自体がどんどん賢くなり、自動的に文字サイズを調整してくれる(何というお節介!)こともあって、いわば“自分勝手”な文字サイズが横行しやすくなっているのですね。


文字サイズは相手に合わせる

仕事中、老眼鏡をかけたり外したりしている上司に読んでもらうなら、少し大きめの文字サイズにする。特に忙しい相手に渡すときには、読まなくても「見て」わかるくらいの大きなサイズにすることもあります。反対に若い人が読むのであれば、ある程度小さなサイズでも読んでもらえる可能性が高い――などと、あくまでも“読み手の立場”で考えていくのです。


たとえば、新幹線などでの移動中に上司に読んでもらいたい書類をつくるなら、やはり若干大きめのサイズにするのがコツ。そう! 乗り物が揺れてもできるだけ読みやすいように……という配慮です。

 

こうした細やかな気遣いは、

“見る目のある上司”には、きちんと通じる

ものです。

 

さて、現在作成中のあなたの文章、読まれる場面を想定して書かれているでしょうか?


「2」用紙の余白、字間・行間、「3」文字だらけで真っ黒に見える(=漢字率)については次回以降、考えてみることにしましょう!

◆まとめ

パッと見の印象が大切なのは「文章」も同様。

文字のサイズは「自分の都合」ではなく、

相手の「読みやすさ」を考えて決める。


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